キャラクターの親しみやすさ、ストーリーの明快さ、脱線具合の程よさ…
「ワンピース」の持つ魅力はいろいろあるけれど、僕がもっともさすがだなあと
思うのは、その「まとめ力」だったりする。

映画の世界でもタランティーノ作品はあらゆるジャンルのエッセンスを
抽出して、凝縮して、一番搾りのおいしいところだけを
うまいこと作り上げられているように、ワンピースもかつてのジャンプ漫画のよいところを
抽出・凝縮・搾り出して、そしてまとめあげて形にしてくれているからどこを切ってもおもしろい。

自分の夢にまっすぐな主人公はキャプテン翼やスポ根漫画だし、まだ見ぬ
世界へ旅に出て、頼りになるやつをひとりずつ仲間にするのは
ドラゴンボールだし、ひとりにひとつの能力が授かるってのはジョジョの奇妙な冒険だし
(メインストーリーの途中で回想シーンやサブストーリーの回が挟まれるのもジョジョぽい)。

そんないろんな漫画のいいところおもしろいところのエッセンスを
うまいこと「ワンピース」という漫画の中にまとめてくれるから、だからおもしろい。